JR連合は5月9日に都内で会見を開き、4月末段階のグループ会社の春闘回答状況について、「早期妥結の組合が半数を超え、昨年と比べてベア獲得の組合も増えつつある」と報告した。JR連合は昨年の春闘からグループ会社にも底上げを行き渡らせることを方針に据え、委託単価の引き上げ要請や親会社労組による交渉支援を行っている。深刻な人手不足を踏まえた労働条件改善の試みだ。
ベア獲得で妥結したグループ会社労組は昨年同期の22単組から33単組と大幅に増えた。現在交渉中の組合もあり、JR連合は昨年の最終実績を上回ると見込む。非正規職員の時給・日給の引き上げも進んでいる。業種別では、工務・運輸が苦戦しているものの、陸運・物販・ホテルで昨年と同水準か、それを上回るベアを得ている。
●人材不足に危機感
河村滋喜事務局長は「特に西日本の単組でかなり早期の妥結が進んだことが今年の特徴だ」と述べた。近畿や東海では特に人材不足が深刻で、会社側にも危機感が広がっていることが背景にあるという。
JR連合の政所(まんどころ)大祐政策・調査局長は早期妥結とベア獲得組合数の増加について「グループ単組任せにせず、『JR全体の安全運行ができるのはグループ会社があってこそ』と(産別・親会社労組が)会社幹部らに積極的に訴えてきた成果」「グループ会社にも底上げが必要だというのは、JR全体の共通認識として広がっている」と述べた。
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