国際NGOの連携組織であるアジア太平洋リサーチネットワーク(APRN)が5月6、7の両日、東京でシンポジウムを開いた。「軍事化・軍国主義への抵抗と人々による民主主義の構築」がテーマで、15カ国から約40人が参加。天然資源採掘のために軍隊を使って先住民を抑圧している事例などが報告された。
フィリピン・ルソン島北部のコルディリェーラ行政地域では、政府と鉱山会社が天然資源の開発に着手し、抵抗する先住民に対しては軍が脅迫し、命まで脅かされているという。
スリランカでは軍事基地拡張のため、タミル人の農地が強制的に没収されているという。女性たちは軍隊に迫害され、レイプ被害も頻発していると告発した。
インドネシアの男性は、「軍が開発エージェントとつながっており、巨大ダム建設では4万人が移転を強いられた」。
元米国上院議員で、2008年の大統領選挙では緑の党から立候補したシンシア・マッキニーさんが基調講演。「日本には初めて来たが、どこの国であれ、他国の軍隊が駐留している国を主権国家と呼べるのかどうか」と述べた。
ミャンマー(ビルマ)から19年前に日本へ亡命してきた少数民族ロヒンギャの男性は「難民認定が困難な日本はいい国とは言えない」と指摘した上で、民主化されたといわれるミャンマーについて「ロヒンギャを虐待する構図は軍事政権と変わらない」と批判した。
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