「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    「販売」は前年比500円増/自動車総連の3月末集計/中小組合が全体をけん引

     自動車総連は4月4日時点での賃上げ回答状況を発表した。500人未満の中小組合が前年実績を上回る結果を出しているのが大きな特徴だ。業種別では「販売」が前年より500円以上高い水準を獲得して健闘している。相原康伸会長は同日、「中小組合は大手と同じかそれ以上の回答を引き出しており、評価したい。ベアのある春闘にでき、うれしい」と語った。

     全体での解決率は約48%で、単組数が多い販売では2割程度しか解決していないため、相原会長は「これは現時点での中間総括だが、皆さん(マスコミ)は最終結末を見届けてほしい」と自信をのぞかせた。

     大手メーカー労組は前年実績より200円弱低い水準で妥結している。車体・部品や輸送なども前年を下回っているが、唯一、販売が前年プラスを確保。最終結果より531円高いレベルを維持している。

     相原会長は「販売の経営者は国内市場が長期的に減衰する中で、サービス力と営業力で高いパフォーマンス発揮を目指している。そうした点で働く者への期待値を精いっぱい示した回答だ」と指摘。地域のサービス・流通企業との人材獲得競争も熾烈だと述べ、相当な賃金引き上げが求められたことにも言及した。

     現時点での全体状況については、「先行きに不透明さもある中で、経済のため、働く人のため、(関連企業などの)バリューチェーンのために、何らかの原資投入を含め賃上げの必要性が今一度(労使で)確認できた」と語った。