中小労組の賃上げ回答額の平均が初めて大手を上回る――。金属労協が4月4日発表した、3月末時点の850組合の回答集計で、こんな結果が明らかになった。同日開いた会見で、相原康伸議長は「底上げ、格差是正に一定の役割を果たせたのではないか」と所見を語った。
全体の回答平均は1195円。規模別では、千人以上の大手が1126円、300人未満の中小が1268円となっている(グラフと表)。昨年、中小が大手を初めて上回ったと発表されたが、その直後に集計ミスが判明。中小の回答が大手を上回るのは今年が初めてとなる。
金属労協では今年、全体の約8割に当たる2102組合が賃金改善やベアなどの賃上げを要求し、3月末までに1370組合が回答を引き出した。賃上げ獲得組合は850組合。獲得した組合の割合を規模別でみると、千人以上が84%、300~千人未満が78%、300人未満は51%となっている。
後続する中小の交渉追い上げに向けて、金属労協は同日、「中小労組の賃上げ獲得と、大手労組を上回る回答を引き出す流れを拡大すべく、後に続く組合の取り組みをJC共闘全体で支えていく」との闘争方針を確認した。
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