求人トラブル解消などを掲げた職業安定法の改正や、国庫負担の削減、失業給付の一部拡充を行う雇用保険法改正をまとめた一括法案が3月31日成立した。連合、全労連がそれぞれ談話を発表した。
○労政審で実効性確保を/連合
連合は同日、課題は残したものの「雇用のセーフティーネットを拡大する内容は概ね評価できる」との談話を発表した。
雇用保険法改正については、雇い止め離職者の給付日数拡充の恒久化など連合の主張が法案審議を経て付帯決議に一定反映されたと評価。職安法改正では、虚偽求人に罰則を設けるなど不適正求人への一定の抑止効果が期待できるとした。法案で不十分だった内容について、求職者保護の観点を踏まえた付帯決議がされたとし、不適正な事業者に対する指導強化や施行後の実態把握が重要と指摘。今後始まる、政省令や指針に関する労政審審議で、実効ある内容とするよう議論を行うとしている。
○求人詐欺合法化の恐れ/全労連
全労連は同日、職安法改正について「求人詐欺を合法化しかねない、意図とは違う法的効果を生む恐れがある法律になった」として遺憾の意を表明する談話を発表した。
談話は「実態よりも高い労働条件や人気のある業務で募集し、契約締結直前で真実を明かす手法も可能」と警告。安易な労働条件変更は認められないなどの国会答弁を踏まえ、実効ある省令・指針の策定を労政審に求めている。
雇用保険法改正では、国庫負担削減を「国の責任放棄」と批判。理由とされた多額の積立金残高は、失業給付が完全失業者の22%にとどまっていることが原因と指摘。負担を元に戻し、給付額・日数の改善、給付制限撤廃を訴えている。
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