東京地下鉄の完全子会社メトロコマースで働く契約社員の女性4人(全国一般東京東部労組メトロコマース支部)が正社員との労働条件差別の是正を求めた裁判で東京地裁は3月23日、労働条件の格差に「合理性がある」と認定し、原告の請求の大半を棄却した。
有期雇用であることを理由とする不合理な労働条件格差を禁じる労働契約法20条を根拠にした「20条裁判」の先駆けとなった訴訟だ。
原告は売店で正社員と同じ業務に従事しながら、基本給は時給1050円。住宅手当や退職手当など正社員に支給されている15もの手当がない。判決は売店業務について、正社員の場合は「キャリアの一部」であるとし、比較対象を売店以外の業務も行う正社員に設定し、仕事内容に「大きな相違がある」と指摘。正社員への処遇を厚くするのは「有為な人材(正社員)の獲得・定着を図るため」だから、労働条件格差には合理性があると断定した。
弁護団は「会社寄りの判決だ」と厳しく批判。「契約社員は有為な人材ではないのか。人権侵害ともいえる不当判決」と語った。
原告らは「今まで会社に100円ライターのように(存在を軽く)扱われてきた。裁判所なら格差是正の声を聞いてくれると思ったが、このような結果になり怒りでいっぱい」などと話し、控訴への決意を述べた。
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