製造、流通、サービスなど主に内需産業の労組でつくるUAゼンセン(約160万人)は3月8日時点の要求状況を公表した。474組合の正社員の賃上げ要求平均は9518円(3・66%、単純平均)で前年とほぼ同水準。パート組合員の時給引き上げを要求した187組合の平均は前年より高い37・4円(4・04%、同)となっている。 松浦昭彦会長は9日、都内で開いた決起集会で、「思いを共有してしっかりと成果に結びつけていこう」と共闘の強化を呼び掛けた。
定期昇給など賃金体系維持分を確認できる181組合のベアなど賃金引き上げ分の平均は4340円(1・55%)。
規模別でみると、体系維持分を含む要求額平均は、300人未満の9724円(4%)が、300人以上の9345円(3・38%)を上回っている。
パート組合員の要求平均額37・4円は前年より4・5円のプラス。パート、契約社員(7915円、3・83%)はともに、賃上げ率で正社員を超えた。
労働時間の改善では同日時点で144組合が要求し、そのうち70組合が勤務間インターバル規制(休息時間保障)の導入、制度改善を求めている。
●ゼンセン相場を示せ
同日の集会で、松浦会長は「報道を見ていると何となく(回答額が)下がるのかという雰囲気。これとどう対峙(たいじ)するか。昨年の(金属労協の)集中回答日で『前年を下回る』と報じられた際、『UAゼンセン相場は低下していない』という情報を数字で示すことができ、その後の中小の回答につながった」と述べ、先行する大手や中堅組合の奮闘に期待した。
片倉労働組合の青木俊一委員長は1%のベースアップ、半日有給休暇の取得条件改善などを要求していると報告。回答前には経営側にストライキを通告すると述べ、「誠意ある回答がない場合、伝家の宝刀(スト権行使)の柄に手をかける意思があることを示していく」と語った。
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