「命を奪うな」「生活奪うな」「経団連は過労死させるな」――。底冷えのする3月7日の夜、東京・大手町にある経団連会館前に、約300人の怒りのコールが響いた。政府が進める残業上限規制で、過労死認定基準の水準設定を容認する榊原定征経団連会長に対する抗議行動だ。
最低賃金1500円実現を求める市民・学生グループの「エキタス」が主催。榊原会長の「(残業時間)月100時間はまあ妥当な水準」という発言を紹介した新聞記事をツイッター上で発信すると、4日間で、約62万のフォロー、7千超のリツイート(転送)があり、緊急に行動を設定したという。
長時間労働で健康を損ねた経験のある若者や、連合傘下の組合活動家、労働弁護士、国会議員らがスピーチ。20代の時に、人員不足で早朝から深夜まで毎日働くことを余儀なくされ、退職に追い込まれた若者は「法律で(過労死認定基準の上限を)容認することになれば、自分のような人が増える。経営者は決められた労働時間の中で利益を確保すべき。高い給料をもらいながら、どれだけ労働者に甘えているのだ」。
プレカリアートユニオンの清水直子書記長は「月100時間は人が死ぬ基準。日本はそんな野蛮な国なのか。日本の将来にも関わる。『国破れてブラック企業あり』でいいのか」と迫った。
この問題をめぐる連合と経団連の協議は大詰めを迎えている。
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