連合は2月16日、解雇の金銭解決制度の導入に反対する集会を都内で開いた。1月末に同制度の導入を検討する議論が本格的に開始されたことに合わせた取り組み。「導入は必要ない」という連合の姿勢をあらためて発信した。出席した弁護士は「理論的な確信を持って運動すれば必ずつぶせる」と激励した。
金銭解決制は、裁判で違法解雇と断罪されても、使用者が金を払えば気に入らない労働者を追い出せる制度。これまで2度実現が阻まれてきたが、三度導入を狙う安倍政権の下、厚生労働省は1月、議論を本格的にスタートさせた。
検討会の委員である村上陽子総合労働局長は制度導入について(1)職場復帰の道が閉ざされ労働者の尊厳が傷つけられる(2)「金さえ払えば解雇できる」との風潮を広める懸念がある(3)現行制度でも金銭解決は可能であり救済手段の多様化にはつながらない――の三点の理由を指摘し、「容認できない」との連合の立場を説明した。
労働弁護団の水口洋介弁護士は「(制度利用の条件を)労働者の申し立てに限定しても、リストラの武器にされる」と警告。労働法の策定に携わってきた古川景一弁護士は「現行の法制度では無理がある制度。過去に自民党が圧倒的多数の時でもつぶしてきた。理論的に確信をもって運動すれば必ずつぶせる。それがこれまでの運動の教訓だ」と激励した。
集会では「解雇増大につながりかねない。産別として反対している」(損保労連)、「連合の総力を挙げて阻止を」(全国ユニオン)、「こんな制度ができたら労働組合はつくれなくなる。連合のキャンペーン展開を」(JAM)などの意見が出された。
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