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    大手超え要求、昨年以上か/自動車総連の中堅・中小労組

     トヨタや日産など12の自動車大手労組が2月15日、3千円のベースアップ要求を提出した。トランプ米大統領発の先行き不安が漂う中、後続する中堅・中小労組の要求について、相原康伸会長は「メーカー労組と同水準を掲げる組合は百パーセント近い。メーカー労組を超える組合は少なくとも昨年並み。さらに超えていけるのではないか」と見通しを語った。

     産別方針は昨年同様3千円以上。トヨタがベア3千円を含む1万300円を要求したのをはじめ、完成車メーカーの各労組がベア3千円の要求書を経営側に提出した。一時金については平均5・88カ月で、昨年の要求額平均を0・2カ月下回っている。

     連合が「大手追随・準拠の転換」方針を掲げた昨年から、自動車総連でも大手労組を超える要求、回答が出始めている。相原会長は「大手メーカーを超えることはまかりならないという考えは既に昔のもの。人材不足など中小の難しい経営環境を改善するには大手の水準をめざして要求し回答を得るというサイクルを確立しなければならない」と語った。昨春闘では、大手労組超えを要求した組合は、約1100組合のうち24%あったという。

     

    ●米国の轍を踏むな

     

     非正規労働者の処遇改善では、初めて有額の要求目安を定めた昨年と比べ、やや具体的な書きぶりとなっている。トヨタは、非正規労働者のタイプごとに「一般組合員の交渉結果に連動した賃金(一時金)を要求する」「日給150円引き上げ」などと記述している。

     相原会長は「トランプ政権誕生の経過には、二極化、分断状況があったことは明らか。総合生活改善(春闘)の役割は小さくない」と意義を語った。

     労働時間短縮も主要な課題となる。産別としては、年間720時間超の残業を認める36(サブロク)協定特別条項をなくすことを急務の課題に設定。メーカー労組は全てクリアしているというが、超過している組合は約120組合あり、この改善を急ぐとしている。