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    「こんな法律絶対つくらないで」/労基法「改正」案で院内集会/過労死遺族ら訴え

     継続審議となっている労働基準法「改正」案に警鐘を鳴らす集会が2月10日、国会内で開かれた。労働時間規制をなくす高度プロフェッショナル制度と、営業職への裁量労働制の適用拡大が盛り込まれていることに対し、過労死遺族や当事者らが「こんな法律は絶対につくらないで」と訴えた。

     「高プロ制度」は第1次安倍政権が断念した米国のホワイトカラー・エグゼンプション制(労働時間規制の適用除外)を下敷きにした制度で、1日24時間働かせることも可能になる。年収1075万円以上が対象だが、経団連は導入後の引き下げを求めている。

     集会には平日の昼にもかかわらず、約350人が参加。立ち見であふれるなどこの問題への関心の高さが示された。

     電通の新入社員だった娘を過労自死で亡くした高橋幸美さんが映像でメッセージを寄せ、「死んでからでは取り返しがつかない。働く者の命が犠牲になる法律は絶対につくらないでください」と訴えた。大学卒業後入社した会社で、過重労働とパワハラで約半年後に過労自死に追い込まれた男性の父親は「手塩にかけて育てた息子を亡くすことがどんなにつらいことか。労基法改悪法案は断固反対です」と声を震わせた。

     民進、共産、社民などの国会議員が駆け付け、連合、全労連、全労協、全国過労死遺族の会の代表が発言した。

     日本労働弁護団の棗一郎幹事長は「24時間働かせ放題の制度。裁量制も極めて長時間労働につながりやすい働き方だ。倒れても労災申請さえできない。政府は規制緩和と規制強化(残業上限規制)という全く矛盾した政策をやろうとしている。真に長時間労働を規制する法制度を実現しよう」と語った。