国民春闘共闘委員会は1月19日、2017年春闘闘争宣言と銘打った、経団連前での宣伝行動を展開し、厚生労働省前での行動も含めて1300人が参加した。小田川義和代表(全労連議長)は、今春闘でも経団連の賃金抑制の立場は変わっていないと批判し、その姿勢の転換を要求。トランプ米大統領の発言に翻弄(ほんろう)される国内大企業を批判した。
春闘共闘は、昨年同様、月額2万円以上、時間額150円以上の引き上げ、時給千円未満の人をなくすことなどを要求している。
小田川代表は経団連に向け、組合の賃上げ要求と、労働時間の上限規制など働き方改善に関する要求を真剣に検討するよう主張。経営側の春闘指針「17年版経労委報告」について、「『年収ベースの賃上げ』に言及し、ベアを多様な選択肢の一つとしている。賃金抑制の立場を変える方向ではない」と批判した。
11~15年の実質賃金がマイナスだった一方、内部留保は14%も増えたとし、「ILO(国際労働機関)でさえ、日本のような実質賃金低下は経済社会のリスク要因と指摘している。この状況を改善しない限り、消費の回復はないということをまず認めるべきだ」と総額人件費抑制からの転換を迫った。
●国内には冷たいのに
同代表は、残業代ゼロ制度を含む労働基準法「改正」案の撤回や、労働時間の上限規制を求めたうえで、トランプ氏のツイッター上での発言をめぐる日本企業の動きに苦言を呈した。
「トヨタは向こう5年間で1兆円を超える投資を米国で行い、雇用への協力を即座に表明した。はらわたが煮えくり返る思いだ。下請け企業には単価引き下げを要請し、景気が悪くなれば期間工を即座に解雇する。海外生産で地域経済と雇用を壊しながら、個人のつぶやき一つで大盤振る舞いを表明する異常を許してはならない。ここに日本の大企業の本質があるのではないか」
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