職場以外の場所で仕事をする「テレワーク」や、副業・兼業について、連合がこのほど「考え方」をまとめた。労働時間管理や労働者保護を求めるとともに、事業主として働くテレワーク従事者の労働組合への組織化を促す。副業・兼業については「政府がいたずらに後押しすべきではない」とくぎを刺した。
テレワークと副業・兼業は、政府の「働き方改革」の検討課題。働き手不足の解消や新事業創出を目的に普及させようとしている。
「考え方」は、テレワークのタイプごとに利点と問題点を整理した。雇用契約を結ぶタイプでは、適切な労働時間管理が必要と指摘。国のガイドラインの周知徹底や、時間外・深夜割増賃金支払いと最低賃金適用の周知を求めるほか、退社後や休日の待機、呼び出し、メール送信について、実態調査や海外の規制例を検討すべきとしている。
一方、雇用契約ではないケースで、雇用労働者に極めて近い働き方をしている人には、労働基準法や最低賃金法など労働法を適用すべきだと記載した。労基法の適用対象とはみられない場合についても、家内労働法の適用拡大や新法整備を検討するとともに、労働組合の結成で処遇の向上を図るべきとしている。
副業・兼業については、長時間労働への懸念や安全配慮義務、労災補償、社会保険負担などの法的課題が未整理だとし、「『柔軟な働き方』の名の下に労働時間規制などの労働者保護を後退させてはならない」とけん制している。
その上で、「副業・兼業を認めるか否かは、個別労使が話し合って決めるべきであり、政府がいたずらに後押しすべきではない」と強調。仮に労使でルールづくりを行う際は、本業先と副業先の責任分担のあり方を検討すべきとしている。
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