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    労働時間把握義務の法定化を/全労働が立法提言/長時間労働の是正に向けて

     労働基準監督官をはじめ、労働行政に従事する職員でつくる全労働省労働組合(全労働)は12月14日、長時間労働の是正に向けた立法提言を発表した。政府が働き方改革を打ち出すなかで、真に実効性のある是正策が必要と訴えている。

     全労働が真っ先に挙げているのが、労働時間把握義務の法定化だ。労働基準法では、使用者による労働時間の把握が義務付けられていない。実際に監督官らからは「労働時間の記録がないため、違法な長時間労働や賃金不払い残業の取り締まりが困難」との声が上がっているという。いい加減な使用者の責任逃れを許してはならないと指摘。労働時間把握を使用者に指示している通達(2001年4月)を、罰則付きで法定化するよう求めている。

     違法労働致死傷罪の新設を提起したのも特徴。法定の上限時間に違反して働かせた結果、過労死や過労自殺を引き起こした企業の行為を処罰する規定だ。

     36協定に抜け道をつくっている特別条項や、商業や保健衛生業に週44時間制を適用している特例措置、自動車運転手らに限度基準を適用しない例外措置については、廃止すべきとした。

     取り締まりに当たる監督官の増員も強く求めている。国際労働機関(ILO)が定める配置基準(労働者1万人に1人)を大きく下回る現状の打開が不可欠と訴えている。