立憲デモクラシーの会が12月12日に都内で会見し、首相による衆議院解散権の乱用を問題視する声明を発表した。「解散権が党内の引き締めや野党へのけん制に使われ、むき出しの権力闘争の手段になっている」と批判している。
●相次ぐ強行採決
臨時国会では、年金カット法など法案の強行採決が相次ぎ政府による国会軽視が続いている。会見で山口二郎法政大学教授らは「議会政治の劣化は目を覆うしかない状況にある」と批判。その背景には、首相が解散権を振りかざして与党内の反乱や批判を押さえ込んでいる現状があると指摘した。
●内閣の解散権の解釈
衆院解散は憲法7条で天皇の国事行為の一つとされている。国事行為には内閣の助言と承認が必要とされ、内閣が責任を負うことになっている(3条)ため、解散権は内閣の長である首相にあると解釈されている。あくまで解釈であり、明文規定はない。
69条は、内閣不信任案が可決された場合などの解散を規定しているが、国民に信を問うために衆院解散を行うことは認められると解釈されている。
長谷部恭男早稲田大学教授は「かつては解散に対して抑制的な議論が自民党内にもあったが、今はなくなっている。政権与党が都合のいいときに解散権を行使できるというのは世界でも例外」と語った。
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