TPP(環太平洋経済連携協定)の承認案と関連法案が12月9日の参院本会議で可決・成立した。労働団体の談話を紹介する。
・政府の説明不足は残念/連合
連合は「わが国経済を持続的・安定的な成長軌道に乗せ、雇用の創出・維持をはかる上で、TPPはその第一歩になり得るものと受け止めてきた」と指摘。ただし、国民生活に影響を及ぼす懸念事項への対応について、政府の説明責任が十分に果たされなかったことは「残念」としている。
政府に対しては、適切な情報開示と丁寧な説明を求めつつ、交渉参加国の動向把握に努め、適切な国内対策を講じるよう求めている。
現在交渉中の日・EU経済連携協定や、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)などに関しては、労働・環境などの「社会条項」を組み込むことが必要と訴えている。
全労連は、自民・公明・維新などによる採決強行に対し、「暴挙だ」とする抗議談話を発表した。
次期米大統領のトランプ氏がTPP離脱を明言するなかでの成立強行は「議会制民主主義と国民を愚ろうするもの」と批判。TPPの内容についても「経済主権・国民主権をグローバル大企業の利益に差し出すものであることが明白になった」と指摘し、百害あって一利なしと糾弾した。
仮に協定が発効しない場合でも「米国との2国間交渉で、TPPの合意内容が最低基準として譲歩を迫られる」と懸念を表明。TPPの内容を前提とした施策の具体化を許さず、国民生活と地域経済を守る共同の強化を呼び掛けている。
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