結婚は当人同士の合意のみが成立条件であり、したいときにしたい相手とすればいい。したくなければしなくてもいい。何人もそれを強制できない――。
現行憲法の24条「婚姻の自由」は、そのことを保障しています。自民党改憲草案は、ここを改悪しようとしています。「婚姻は両性の合意のみに基いて成立…」という条文から「のみ」を削除しようというのです。たった2文字ですがこの「のみ」は重いもの。これが削除されると、「当人同士の合意は必要。加えて第三者(家族など)の同意も必要」という解釈が可能になるからです。
戦前の民法では、結婚は「戸主の同意」が絶対条件でした。個人と個人の結婚というよりは「家」と「家」の結婚という意味合いが強かったのです。女性の場合「婚家になじまないから」「子を産めないから」との理由で、一方的に離婚させられることも珍しくありませんでした。
戦後、新憲法に「個人の尊厳」と「両性の本質的平等」がうたわれました。女性たちが「婚姻の自由」を歓迎したのは、このような背景があったからです。
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