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    2016年11月29日 核の傘依存からの脱却を/被爆者団体が緊急集会/「ヒバクシャ国際署名」を推進

     核兵器禁止条約の制定に背を向ける日本政府に抗議する緊急集会が11月25日、都内で開かれた。日本被団協と、同条約制定を求める国際署名の推進団体「ヒバクシャ国際署名連絡会」が共催した。集会参加者は、条約交渉参加とともに、日本政府が米国の核の傘から脱却するよう求めた。民進、共産、社民の各野党議員だけでなく、与党の公明党議員も参加した。

     日本被団協の田中煕巳事務局長は「私の目の黒いうちに、なんとか核兵器廃絶を実現したい」と話した。長崎被災協谷口稜曄会長も「何としてでも条約の実現を目指したい」と訴えた。各被爆者団体代表からも「署名を広げ、市民の側から核兵器禁止の条約制定を促進する世論を作っていくべき」という声が相次いだ。

     NGO団体ピースボート共同代表の川崎哲さんは、「禁止条約ができれば、核兵器使用が法的に拘束される。日本政府は核の傘に依存した安全保障政策との両立が難しくなると考えているのではないか」と指摘。被爆3世で国際署名推進のキャンペーンリーダーを務める林田光弘さんは「署名は被爆者団体の垣根を越えて広がっている。日本政府の動きが鈍いなか、市民にしかできないアプローチで被爆者の方々の願いを届けていくことが重要」と、これまで以上の取り組みを呼び掛けた。

     

    〈写真〉「核兵器廃絶の国際的流れに日本が前向きに参加するよう、世論を動かしたい」と訴える、長崎・広島の被爆者たち(11月25日都内で)