明文改憲に向けた動きが強まる中、作家の大江健三郎さんらが呼びかける「九条の会」が9月25日、都内で交流集会を開いた。伊藤真弁護士や池内了名古屋大学名誉教授ら、新たに12氏による世話人(表)を発表。明文改憲阻止の世論を広げ、立憲主義の回復を求める市民と野党の共闘を進める構えだ。
「9条の会」は2004年に結成。作家の井上ひさしさんや、評論家の加籐周一さんら9人の呼び掛け人のうち、既に6人が亡くなっている。新たな運動の推進役として、世話人会を発足させたことをこの日、発表した。
会場には500人が参加し、立ち見の人も。事務局長の小森陽一東京大学教授は「南スーダンでの駆け付け警護など戦争法の実行、沖縄の基地建設強行を、許すか許さないかが、対決軸だ。9条を生かすか、明文改憲の方向に行くのか、九条の会の役割が重要になっている」と語った。明文改憲を許さない草の根の世論を盛り上げるとともに、衆院選でも野党共闘を進める取り組みを強めるよう呼びかけた。
呼び掛け人の一人、ノンフィクション作家の澤地久枝さんは「『憲法を変えて再び戦争する国になってはならない』という、強い意思を広げることが大事。それが、安倍政権的な性質を持つ政治家を選ばないということにつながれば」と、意思表示を続けることの大切さを訴えていた。
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