●処遇変えず、協約破棄
善通寺市では10年前、市職労の支援の下、市の保育所と学校給食センターで非正規職員の組合がそれぞれ発足した。以後、賃上げ、昇給、一時金、手当、休暇などで労働協約を結び、処遇を改善してきた。
非正規職員らは公務員の身分だが、スト権、協約締結権のある「特別職非常勤」という地方公務員法3条3の3に基づく任用だった。
ところが、市は昨年、組合員らの任用の種類を協約締結権のない「一般職」(同17条か22条)に切り替えるため、「2015年4月1日」付けの新規則を策定。同8月、全ての労働協約を16年3月末で廃止すると通告した。
組合は撤回を求めたが、市が頑なに拒否したため、一方的な協約廃止の撤回と、任用替えの新規則制定通知の撤回、誠実な団体交渉応諾を香川県労働委員会に申し立てた【表1】。
新規則の適用が開始された今年4月、協約締結権、争議権は失われ、労働協約は全て破棄された。ただ、賃金表は以前と変わらず、大幅な切り下げが予定されていた正職員並みの休暇もほぼ維持された。「任用」についても3年上限を原則としつつ「専門性・資格などを考慮し、市長が特別に認めた者についてはこの限りではない」と将来の雇用確保に道をつなげている。 救済申し立てを審理していた県労委が3月までに結論を示す予定だったこと、自治労香川県本部委員長が直接同市に解決を要請したことなどが、要因として考えられる。
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