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    「法整備の論議は労政審で」/連合が対応方針/「働き方改革」の進め方に注文

     連合はこのほど、政府が掲げる「働き方改革」への対応方針をまとめた。焦点になるとみられる、同一労働同一賃金や長時間労働是正などの課題について、「骨抜きにすることなく、真に実効性ある法規制を実現することが重要」との考え方を提示。政府が9月に初会合を行う「働き方改革実現会議」では基本的な方向性を議論するにとどめ、法整備など具体的審議は、公益、労使でつくる労働政策審議会で行われるべき、とくぎを刺している。

     

    ●「実現会議」に参加

     

     「実現会議」には、閣僚8人、学識者、俳優、経済3団体代表などのほか、労働界からは神津里季生連合会長がただ一人参加している。連合は同会議に参画し、意見反映を図る。

     対応方針は想定される検討課題ごとに連合の立場を説明している。同一労働同一賃金については、「雇用形態間の合理的理由のない処遇格差を禁止するための実効ある法規制を求める」と記載。長時間労働対策に関しては、労働時間の上限規制と休息時間規制(勤務間インターバル規制)の導入を求めるほか、国会で継続審議中の労働基準法改正法案については、裁量労働制の対象業務拡大や、労働時間規制の適用除外対象を増やす「高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)」の撤回・是正を求めている。

     神津会長は9月16日の定例会見で、「法律にどう落とし込むかという議論は三者構成の労働政策審議会できちんと行うのが基本。その区分け感をしっかり持つことが必要だ。それが崩れるようであれば、(労働側の代表が1人しかいないという)メンバー構成はこれでいいのかということを言わなければならなくなるだろう」と語った。