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    残業抑制の取り組みを交流/労働弁護団がシンポ

     日本労働弁護団は9月21日、長時間労働の抑制策を考えるシンポジウムを開いた。棗一郎幹事長は、裁量労働制の拡大や「残業代ゼロ制度」を盛り込んでいる労働基準法改定案について、「長時間労働是正と矛盾する。安倍政権の政策は破綻している」と指摘。その上で「労働側から真の働き方改革を提言すべき」と訴えた。

     シンポでは長時間労働抑制に向けた現場の取り組みが報告された。三越伊勢丹グループでは2015年5月に長時間労働解消に向けた労使共同宣言を行い、勤務と勤務の間に一定の休息時間を保障させるインターバル制度やノー残業デー、育児・介護者の残業ゼロなどを進めている。三越伊勢丹グループ労働組合の菊池史和・本部書記長は「適正な労働時間管理の環境が整備され、働き方改革への全社的な風土が高まっている。今後は運用面での精度向上が課題」という。

     KDDI労組は労使で議論を重ね、15春闘で全社員を対象に健康上の指標として11時間のインターバル制度などを導入した。上部団体である情報労連の宮原千枝さん(政策局)は「過重労働が目に見える形になり、残業抑制にもつながっている。残業の上限規制にも取り組みたい」と話す。

     東レ経営研究所の渥美由喜さんは「ワークライフバランスを語る場合、家庭や地域での社会的活動も含めた生活と、仕事との両立が目指されるべき」と指摘した。

     

    〈写真〉シンポでは、職場で労働時間管理を徹底することの大切さが指摘された(9月21日、都内で)