東日本大震災のときには岩手県で被災者支援・相談活動を行ってきた弁護士の小口幸人さん(現在沖縄弁護士会所属)が4月19日、国会内で講演し、安倍政権が憲法改正で狙う緊急事態条項の新設について「災害や被災者をだしにして憲法を変えようという人々に本当に腹が立つ」と語った。
民進党議員らでつくる立憲フォーラムと戦争をさせない1000人委員会の共催による院内集会。
小口弁護士は、日本では既に災害関係の法律は充実していて、新たな立法は不要と指摘。「必要なのは法律ではなくて、災害対策基本法など既存の法律を十分に運用できていない問題に手を付けること。災害に対しては、事前の備えと訓練が求められる」と述べた。河野太郎内閣府特命担当大臣(防災)が「必要な対策は講じてある」と答弁していることも紹介し、なぜ憲法を変えてまで緊急事態条項をつくる必要があるのかと疑問を呈した。
さらに、災害時の対応については「現場の自治体などに権限を委譲すること。国は現場の判断を尊重して後方支援に回るべき」と述べた。安倍首相らが熊本の地震発生直後に「屋内避難」を指示したことに触れながら、「現場を知らない国が主導権を取るのは間違い。もしも15日夜に屋内避難していたら、翌日のマグニチュード7・3の地震でどうなっていたか。この政権はもう止めないと危ない。彼らに熊本の復興をさせてはならない」と結んだ。
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