自由法曹団は4月21日、安倍政権が進める労働法制改悪に反対する院内集会を開いた。同団幹事長の今村幸次郎弁護士は「夏の参院選は、政権打倒に向けた重要な闘い。アベノミクスの3年間で国民生活がどれだけ悪化したのか、その経済・雇用政策を振り返り、事実をもって批判していくべきだ」と訴えた。
東証一部上場企業の2015年3月期の最終利益は20兆6千億円と、過去最高の前年をさらに更新。14年度の企業内部留保(資本金10億円以上)は約300兆円に達した。一方で非正規労働者数は13年1月の1823万人(非正規比率35・3%)から16年1月には2037万人(38%)に増加。実質賃金は3年間で約5%減少している。
こうした状況は、企業の利益を優先し労働者の貧困化を進める雇用政策の結果であり、政府の「産業競争力会議」など労働者不在の場で決定されている点を問題視。その上で今村弁護士は、「こんな政権を不本意ながら選んだのは私たちだ。だったら選び直せばよい。私たちの力で変えることができる」と述べた。
安倍政権が最近打ち出している「同一労働同一賃金」「長時間労働の是正」などの方針について今村弁護士は、「単なる選挙向けのアドバルーンに終わらせないことが重要」と指摘。4月19日に提出された野党共同の長時間労働規制法案に触れつつ、「非正規を含め本当の意味での労働者の待遇改善に結びつけていくべき」と訴えた。
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